<見当たり捜査員>指名手配500人を追って雑踏に(毎日新聞)

 1枚の写真を手掛かりに大都会の雑踏に潜む容疑者を割り出す職人がいる。警視庁捜査共助課の「見当たり捜査員」だ。約500人の指名手配容疑者の顔を頭にたたき込んで街頭に立ち、行き交う人の波に目を凝らす。DNA型鑑定などの科学捜査が重視される昨今でも、地道な捜査手法は欠かせない。

 ゴールデンウイーク明けの午後、東京都内のターミナル駅前の交差点。見当たり捜査員が2人1組で、買い物客らに鋭い視線を送っていた。繁華街になじむよう、ジーンズにシャツのラフな格好。まず刑事とは分からない。

 この日は朝から夕方までの捜査で、容疑者を発見することはできなかった。3カ月以上、何の収穫も得られないこともあるという。「『必ず現れる』と前向きに考えることが、集中力を保つ秘訣(ひけつ)」と捜査員は言う。

 見当たり捜査は大阪府警が70年代末に始め、警視庁も01年から導入した。警視庁が昨年逮捕した指名手配容疑者808人のうち、65人が見当たり捜査による逮捕だった。今年は強盗傷害事件の容疑者を公訴時効10カ月前に発見するなど既に32人を逮捕している。

 捜査は記憶力が勝負だ。捜査員は小さく切り抜いた手配写真約500枚を持ち歩き、毎日朝と昼に2時間ずつ、虫眼鏡で見て顔の特徴を覚える。ポイントは目。ベテランの大木幹雄警部(57)は「変装や整形をしても、目元だけはごまかせない」と言う。

 いつ、どこで容疑者と遭遇するか分からないので、仕事と休日の境はない。家族と遊びに出かけても、気付くと目が群衆を追っている。実際、仕事帰りに容疑者を発見したこともあるという。

 「逃げ得は決して許さない」。日焼けした顔の男たちが今日もどこかの雑踏で目を光らせている。【内橋寿明】

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